タナグラ人形(紀元前4-3世紀 ギリシア)
材質: テラコッタ
サイズ: 高さ 17 cm
背中を大きく反らして踊る女性の姿はマイナスと考えられます。マイナデス(複)は酩酊の神ディオニソスの女性信奉者で、酒による酩酊・熱狂状態=マニア(マイナスも同じ語源)で乱舞する姿が陶器やレリーフにも残されています。
マイナデスは動物を八つ裂きにするなどの凶暴な行為に及ぶこともありましたが、その様子がワインと水を混ぜる混酒器に描かれるなど、神の力によって起こりうる人間的な行為と捉えられていたようです。我々も泥酔して失敗したら、偉大なるディオニソスの意思なのでと胸を張って言いましょう。
水色やピンクの顔料の微細な痕跡が数カ所ありますが、残っているのはほとんど白い下塗りのみです。4つ程度の大きな破片から修復されています。右手首から先は欠損しており、補遺されたものです。良いコンディションとは言い難いのですが、踊っている姿のものはなかなか手に入りません。








