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魚文陶器(12-13世紀 ビザンツ)

材質: テラコッタ

サイズ: 高さ 8.5 幅 28cm

やや抽象的な手法で魚が描かれた緑釉の鉢。単純な線で思い切りよく描かれた波の間を縫うように飛び出す魚の頭。その下半身は、二本の曲線で波の中に消えていきます。

二本の線で描かれているのはイクトゥスの名残りかもしれません。4世紀以前の初期キリスト教では信仰を明かすと迫害される恐れがあったため、2本の線を使って描いた魚(尾ひれで交差して十字となる)をキリスト教の隠れたシンボルとして用いていました。イクトゥス(ΙΧΘΥΣ)はギリシャ語で「魚」という意味ですが、

ΙΗΣΟΥΣ(イエス)
ΧΡΙΣΤΟΣ(キリスト)
ΘΕΟΥ(神の)
ΥΙΟΣ(子)
ΣΩΤΗΡ(救世主)

の頭文字を並べた暗号でもあります。

鳥獣・植物文が多いビザンチン陶器の中で、キリスト教のシンボルが独創的に描かれた珍しい図像。海上がりのため海生生物の跡が付着しています。破損・修復なし。