ファスキヌス(1-3世紀 ローマ)
材質: 青銅
寸法: 幅 2.8cm
もう一点、テルマエ・ロマエネタです。作中では「ティンティナブラム」として出てきますが、本来は鈴のついたお守りのことを指すようです。1個あるいは複数の男性器の先端に鈴がぶら下がっているティンティナブラムはあるのですが、男性器の護符がティンティナブラムというのは誤りではないかと思われます。
さて、男性器の護符については以前金の指輪でご紹介しましたが、古代においては性的エネルギー、すなわち繁殖の力は邪悪なものを退けるほど偉大であり、病や災いを打ち祓うものとして信じられていました。子供の死亡率はとても高く、子供にも呪術的な御守りとして男性器のモチーフを身に着けさせていたようです。