心臓護符(紀元前664-30年 エジプト末期-プトレマイオス朝)

材質: 骨あるいは角

寸法: 高さ 3.2 cm

心臓(イブ)はエジプト人の人格と記憶が宿る魂の座と考えられていました。死者の書に記されているように、死後人は冥界に入るためにオシリス神による最後の審判を受けます。ミイラ化において他の内臓がカノープス(4つの壺)に収められたのに対し、審判を受ける心臓は体内に残されました。審判の際、心臓はアヌビス神が測る天秤の上に置かれ、もう一方にはマアト神の羽根が置かれました。心臓は羽根より軽くなくてはならならず、重かった場合には怪物に食い殺され、二度目の来世なき死を迎えると恐れられていました。この護符は動脈・静脈が表現され、文字が刻まれています。